✅声劇の説明
夜にしか現れない兎は、本当に自由なのか?
この声劇『夜の兎は、眠らない』は、二人の人物が交差する、”逃げられない対話”を描きます。
舞台は廃墟と化した遊園地。ふたりは過去に置き去りにした罪と、選び取れなかった未来を前に、言葉を交わします。
「愛していたのか」「それとも所有したかっただけか」
“バッドエンド”という終着点に向かう物語は、あらゆる感情を濁しながら進行します。
テーマに据えるのは、「汚染」「黒い」「短命」「刺す」そして「夜」――
あなたが抱く”夜の恐ろしさ”は、何ですか?
- 商用利用可能(フリー台本です。さまざまな場面でご使用ください。)
- バッドエンドな作品です。
- 動画化・音声化・朗読など、形式自由。
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『夜の兎は、眠らない』|バッドエンド声劇・二人掛け合い・人間の黒さと喪失の物語
声劇台本
『夜の兎は、眠らない』
登場人物
- 凪木 アキ(A)
落ち着いた声だが、感情を押し殺す女性。
夜に縛られ、罪の記憶に取り憑かれている。 - 灯 ユウ(B)
静かで理知的な青年。
病により余命が短いことを悟っている。
導入
(環境音:風の音。遠くで壊れた観覧車が軋む)
アキ(独白)
……ねぇ、夜って誰のものだと思う?
眠れる人にとっては休息。
でも、眠れない人にとっては牢獄みたいなもの。
そんな夜にだけ現れるものがある。
罪の匂いに惹かれて動くもの。
──私は、それを「夜の兎」と呼んでた。
(足音が近づく)
アキ
……来てくれると思ってた。
ユウ
もう、誰もここには来ないと思ってたよ。
アキ
でも、あなたは来た。夜に呼ばれたみたいに。
ユウ
夜じゃない。……アキに呼ばれたからだ。
アキ(少し笑って)
ふふ……なら、今度こそ聞かせて。あの夜の本当を。
第一幕「再会」
ユウ
まだ残ってたんだな、この場所……。
アキ
ただの廃墟よ。人の声も、笑いも、もうどこにもない。
ユウ
ここで……初めて煙草を吸ったの、覚えてるか?
アキ
覚えてる。すぐ咳き込んで、情けない顔してた。可愛かった。
ユウ
笑うなよ。本気で死ぬかと思ったんだ。
アキ
でも生きてた。あの頃は、まだ。
ユウ
……どうして俺を呼んだ?
アキ
時間が、もうないと思ったの。あなたにも、私にも。
ユウ
……知ってたんだな。
アキ
わかるわ。声に出るの。死が近い人の匂いが。
ユウ
君だけだよ、そんなこと言うのは。
アキ
だから、全部話したい。
ユウ
話したって……過去は変わらない。
アキ
変わらなくてもいい。でも言わなきゃ、夜に飲み込まれる。
第二幕「夜の帳」
(猫の鳴き声が遠くから響く)
ユウ
「夜の兎」って言い出したの、君だったよな。
アキ
夜にだけ現れて、誰にも懐かない。そう思ってた。
ユウ
自分をそう呼んでたのか?
アキ
違う。懐かれていたのは、私の方。
ユウ
……だから、俺は逃げられなかった。だから、ここに来た。
アキ
ユウ……見てたんでしょ。あの夜のこと。
ユウ
……ああ。君が、あの子を突き飛ばしたのを。
(短い沈黙)
アキ
……あの子は、あなたを侮辱した。私は許せなかった。
ユウ
でも、そのせいで──あの子は。
アキ
死んだ。ええ、知ってる。
ユウ
罪って……こんなにも静かに生き続けるんだな。
第三幕「壊れていく静寂」
(風が強まる音)
アキ
ねぇ、どうして黙ってたの?
ユウ
罪を共有するのが優しさだと思ったから。
アキ
違うわ。それはただの逃げよ。
ユウ
……ああ、違った。俺は自分を守りたかっただけだ。
アキ
そのせいで私は、夜に縛られ続けた。
ユウ
「助けて」って言えばよかった。
アキ
言ってくれてたら、私は……置いていかなかった。
ユウ
でももう遅い。俺は病気で……長くない。
アキ
知ってた。声が乾いていくのを感じてた。
ユウ
明日、入院する。たぶん、これが最後の夜だ。
アキ
じゃあ……せめて最後まで話して。
第四幕「命の終わりは静かに」
ユウ
一つ、頼みがあるんだ。
アキ
言って。
ユウ
俺の声で、君の“夜”を終わらせたい。
アキ
……どういう意味?
ユウ
君の夜は、もう俺の声でしか終われない。
アキ
ユウ……あなたは、私の“夜の兎”だったのね。
ユウ
それなら……さようなら。
(足音が遠ざかる)
アキ(独白)
夜は……また私を一人にする。
結末「夜は終わらない」
(風と静寂)
アキ
ねぇ、夜の兎……。あなたはどこへ行ったの?
目を閉じれば、あなたの声が聞こえる。
「夜を終わらせて」って。
でも終わらない。
罪は、他人に託しちゃいけない。
それでも……誰かの声に救われたくて、私はまた耳を澄ます。
(歩く足音)
アキ
私は、またここに戻ってくる。
夜が終わる、その日まで。
(暗転・風音が消える)
【終】
声劇台本サイトと相性抜群!収録・創作に役立つアイテムをご紹介
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声劇台本を書くにあたって参考にした書籍のご紹介
僕が作成している声劇台本には、いくつかの作品や作家から影響を受けた部分があります。たとえば、村上春樹の静かで深く沈んでいくような内面描写や、夢と現実のあわいを漂う感覚。太宰治の人間の弱さや孤独に向き合う視点、そして新海誠作品のような、言葉にならない想いを風景や間で表現する技法。これらの作家や作品から受けたインスピレーションを、自分なりに消化しながら台本へと落とし込んでいます。読む方や演じる方にとっても、どこかでそれらの面影や空気感を感じていただけたら嬉しいです。物語の背後には、こうした文学や映像作品の影がひっそりと息づいています。
この声劇台本を見つけてくださって、ありがとうございます!作品を通して、少しでも何かを感じていただけたら嬉しいです。今後も定期的に新しい声劇台本を公開していく予定なので、ぜひ次回作も楽しみにしていてください。当サイトで公開している台本はすべてフリー台本です。特に使用ルールなどはありませんが、ご利用いただいた際には、SNSや配信アプリ、動画の概要欄などでこの台本ページをご紹介いただけるととても励みになります。今後とも、どうぞよろしくお願いします。
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