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二人声劇台本:対者-タイシャ-

二人声劇台本:対者-タイシャ-
向かい合っている者。対象となる者。また、対戦などの相手。
  • 二人声劇台本
  • 5分読了
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○僕の敵は彼らだ。

毎日、罠を張って僕たちを待ち構えている彼らだ。

僕らは彼らを殲滅しなくてはならない。

×罠を張るから戦争を始めたのか?

○馬鹿か?戦争は始めるものではない。

様々な討論を重ねた後に結果的に起こるものだ。

彼らとは良き討論者相手だった。

しかし、そこに金や政治や思想が入ってしまえば、

僕たちは殺し合いをしなくてはいけない。

彼らは敵だ。

僕の、そして僕らの。

×かれこれ数年の戦争をしている。

金や政治、思想が討論に混じっただけで、

こんなにも殺し合いをしなくてはいけないのだろうか。

○彼らは強情だ。

討論をしている時もそうだった。

僕ら相手のことは微塵も考えず、

自分都合のことばかり提示してくる。

だから僕らも銃を取ったんじゃないか。

戦争が長引くのは、

彼らの考えが一向に変わらないからだ。

×僕は一時、考えたんだ。

自分の敵について。

○強情な彼らのことかい?

×本当の敵は、僕らなんじゃないかって。

僕ら自身が敵なんじゃないかって。

確かに、相手の都合の金や政治、思想には振り回されたくない。

しかし、それは何千もの命に代えることが出来ないのではないだろうか。

幾人もの人が死んでいった。

その、金や政治や思想のために。

この金や政治や思想を戦争相手であり討論相手でもあった彼らに押し付けているのは、

もしかしたら、僕らかもしれない。

○疲れているのか?

それとも白煙の中で頭がおかしくなったのか?

大丈夫か?

×あぁ、まだ大丈夫だ。

まだ戦える。

銃ではなく、言葉で彼らを説得したい。

僕ら自身も説得したい。

足が震えているんだ。怖くて。

ちょっと手を貸してくれないか。

○お前の足は、もう無いじゃないか。

詩から声劇台本を考える

声劇台本を作成する前にまず詩を考えます。今回の声劇台本のもとになった詩をご紹介します。

それでは、君には敵は居ないのかい?
いいえ、僕の敵は大体、僕です。

声劇台本を書くにあたって参考にした書籍

僕が作成した声劇台本にはインスピレーションを受けた事象や書籍があります。それらの書籍を簡単にですが、ご紹介します。

一人称単数 文春文庫 村上春樹(著)
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)
ノルウェイの森 上 講談社文庫 村上春樹(著)
晩年 (新潮文庫)
晩年 新潮文庫 太宰治(著)
小説 言の葉の庭 (角川文庫)
小説 言の葉の庭 角川文庫 新海誠(著)

seichan

声劇台本-Fullcityはバッドエンドな声劇台本をご提供いたします。

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