一人声劇台本:辞む-イナム-
いやだといって拒む。承知しない。断る。また、否定する。
- 一人声劇台本
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○私は弱い人間だ。
価値の無い人間で、
評価されるのはオコガマシイ人間だ。
小さい、とても小さい存在の私に価値を見出してくれるアナタを信じることが難しい。
私は、アナタを信じてる。
けど、私を信じるアナタは信じられない。
だから今日もアナタの為に身を粉にして徹するのです。
何もかもに。
私は自分の言葉を持ち合わせてはいません。
私は自分の気持ちを表に表現することはしません。
アナタの言葉と気持ちをそのまま引用して語るのです。
アナタの存在を。
私はアナタの為に生まれてきた。
私はそんな現状がとっても好きです。
あぁ、アナタの事を考えている時こそ、私は私であるような気がします。
私は私を無にして、アナタの陰になると決めました。
私は、傷つきたくないのです。
自分の言葉で不評を得て、
自分の気持ちで他人から尊厳を失いたくないのです。
アナタの言葉、気持ちをナゾッテいるときこそ、
傷つかない存在に成れるのです。
けれど、言葉や気持ちをお借りしているアナタから評価を頂くことは
とても怖いことです。
だから、私は傷つかないように
自分で自分を傷つけるのです。
傷つく前に傷つくことで、
私は痛みを和らげようと試みます。
否定の先回りには、きっと幸せがあると思います。
アナタの笑顔を見るために、
今日も私は自分を卑下して生きていきます。
詩から声劇台本を考える
声劇台本を作成する前にまず詩を考えます。今回の声劇台本のもとになった詩をご紹介します。
傷つきたくない。
そんな一心で
今日も私は自分を傷つけて
否定の先回りをするのです。
声劇台本を書くにあたって参考にした書籍
僕が作成した声劇台本にはインスピレーションを受けた事象や書籍があります。それらの書籍を簡単にですが、ご紹介します。