漫遊-マンユウ-
気のむくままに、諸方をまわって遊ぶこと。
- 二人声劇台本
- 5分読了
- 商用利用可能(さまざまな場面でご使用ください。)
○きっと僕は幾つか質問された。そんな気がする。
×うん、幾つか僕は君に聞いたよ。
○何を聞かれたか、忘れてしまった。
×ううん、君はたくさん応えてくれたよ。
○僕は今日、死ぬ。老衰や寿命じゃなくて、自らを絶つことを選んだ。
×それは、僕は悲しいな。しっかり作ってあげたのに。
○仕事や家族、恋人や成績に満足できない。とても不安でいっぱいだ。もうこれ以上進めない。僕は今日を終わらせるよ。
×それは君自身が望んでいないじゃないか。
○僕は本当に死にたいのか?
×そんなはずはないよ。
○僕はこのまま死んでもいいのか?
×言い訳ないじゃないか。君には幾つか質問したじゃないか。とつきとおかじゃないか。君には幾つか質問したじゃないか。トツキトオカの旅の中で。
○何を聞かれたんだっけ。
×目の数はいくつがいい?
○二つ。
×それはなんで?
○片目がつぶれても、ずっと世の中を見れるように。それくらい無理が利くように。
×耳は何個がいい?
○二つ
×それは何で?
○どちらに偏っても違う意見も聞けるように。
×じゃあ心臓も二つにしておくね。
○いや、一つでいい。
×なんで?今まで二つだったのに。
○大事な人が出来たとき、その人の鼓動を感じれるように。
×結構、傲慢だね。もう”傲慢”を持っているの、すごいよ。じゃあ心の場所はどこにする?
○心の場所は恋人の心臓に置いてきて。その子が居て、やっと僕が僕らしくあるために。
×他人にもう心を奪われているんだね!すごいよ。
○僕は死にたくない。
×うん。うん。
○全部、自分が望んで生まれてきたんだ。
×そうだよ!君を作るのは結構、難しかったんだから。
○けどね。心があった場所が昨日、亡くなってしまったんだ。
僕の涙の味はどんな注文を君にしたんだっけ。酸っぱくもない。辛くもない。甘くもない。けど、なんだか味が薄いや。
詩から声劇台本を考える
声劇台本を作成する前にまず詩を考えます。今回の声劇台本のもとになった詩をご紹介します。
トツキトオカ
素晴らしい旅だった
何もかも僕は望んで生まれた
声劇台本を書くにあたって参考にした書籍
僕が作成した声劇台本にはインスピレーションを受けた事象や書籍があります。それらの書籍を簡単にですが、ご紹介します。