妬念-トキ-
「妬むこと」「そねむこと」「やきもちをやくこと」「嫉妬」などです
- 一人声劇台本
- 5分読了
- 商用利用可能(さまざまな場面でご使用ください。)
○やたらにくっ付く性質をもっている彼女。
僕の心臓は毎回、もたないくらいに心拍数が上がる。
それでも、やたらめったに誰とでもくっ付く彼女。
僕の心臓はまた、心拍数が上がる。
この鼓動は僕のもの。
まだ、心拍数は上がる。
どうか、この心臓の音は聞こえないで。
どうか、この気持ちは聞こえないで。
僕にだけ、くっ付いて。
そして誰にもくっ付かないで。
そんな想いが心拍数を上げていく。
心臓の音は平常時には一分間に60回も拍動しているのだという。
一秒に一回ノックする僕の気持ちは、
彼女に気づいてほしくて二回、三回と拍動を速めた。
どうか、この心臓の音は聞こえないで。
どうか、この気持ちは聞こえないで。
心臓の音と気持ちは二律背反して、
どちらかが嘘ということになった。
高まる嘘。
なんで、こんな嘘を心臓はついているのだろう。
なんで、こんな嘘を気持ちはついているのだろう。
本心とやらは、心臓の拍動に現れ、
嫉妬心とやらは、気持ちを嘘つきにしたいようだ。
彼女を目の前にして、
本心と嫉妬心が混ざり合ったとき。
本心も嫉妬心も「言っちゃえよ。」と呟いた気がした。
彼女がくっ付いたその時、
言っちゃった。
彼女の拍動は全くもって
上がらなかったようだ。
詩から声劇台本を考える
声劇台本を作成する前にまず詩を考えます。今回の声劇台本のもとになった詩をご紹介します。
どうか、この心臓の音が
あなたに聞こえませんように
声劇台本を書くにあたって参考にした書籍
僕が作成した声劇台本にはインスピレーションを受けた事象や書籍があります。それらの書籍を簡単にですが、ご紹介します。